【宿泊記】ホテル雅叙園東京 - アンバサダースイート
その土地に根ざした食事や文化を体験できる隠れ家的ホテルが所属する「Small Luxury Hotels of The World(SLH)」に加盟し、東京 目黒に位置するラグジュアリーホテル、「ホテル雅叙園東京」。
全国でも唯一無二な、和モダンをテーマとした豪華絢爛な世界観を持つホテルで、とても気になっていました。今回はプライベートの利用としてスイートを確保し、こちらのホテルに宿泊しました。
また、本記事でご紹介するホテルステイの様子はYoutubeでも動画で公開しているので、こちらもぜひご覧ください。
目次
1. チェックイン
東京 目黒駅から徒歩10分程度。細く、急な坂道を降った先に、巨大なお屋敷を思わせるホテルが目に入ります。
隠れ家を思わせる道のりに胸を躍らせつつ、ホテルへ。
エントランスでは、侘び寂びのある小原流の装花に迎え入れられ、雅叙園の世界観に引き込まれます。
美人図をはじめとする煌びやかな壁画や天井画、螺鈿細工の数々に魅了される、素晴らしい空間が広がります。
奥に進むと、ホテル雅叙園東京を代表する「招きの大門」に迎え入れられ、左右に広がる豪華な料亭に目を奪われます。
まさに『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋のよう。目黒に移転された当初(1931年頃)は”昭和の竜宮城”と評されていたのも納得です。
チェックイン時は多少急いでいたこともあり、エグゼクティブラウンジではなく、客室でのチェックインに案内していただきました。
客室フロアまでのエレベーター内も豪華絢爛。
螺鈿細工による孔雀の画に、金箔、そして間接照明による演出と、見ていて飽きさせない工夫が随所に感じられます。
個人的には、客室フロアまでのアプローチでここまで凝っており、印象深く、そして興味が惹かれるホテルはペニンシュラ東京以来かもしれません...!
サービス面に関しては、客室数は全60室と非常に少なく、パーソナライズされたおもてなしが期待できます。
なお、ラウンジやレストラン、客室の基本的な説明は、チェックイン後に電話で説明いただくスタイルとなっており、コロナウイルス対策を配慮しつつも丁寧さを欠かさない対応が好印象です。
2. 客室 - アンバサダースイート
8階のフロントでは着物を着たスタッフさんが常駐しており、こちらも華やかな気分になります。
こちらのチェックインカウンターで簡単な手続きを済ませ、スムーズな案内で客室へ。
今回は広めの客室でゆったりしたく、ホテルで2番目の広さを誇り、サウナ&ジェットバス付の豪華なバスルームが特徴的な「アンバサダースイート(120㎡)」をチョイス。
エグゼクティブラウンジのある8階、目黒方面(西側)のシティビューの客室をアサインいただきました。
2-1. リビングルーム
期待に胸をふくらませ、客室へ。
エントランスからリビング、ベッドルームに続くアプローチは、華美な装飾を廃した侘び寂びのある空間が続きます。
木の温もりを感じさせる木材を中心に、さりげなく飾られた生花や茶器、それらを彩る間接照明に演出され、心落ち着く空間に仕上がっています。
一面に縁取られた窓からは、眼下の目黒川や目黒の街並みが見て取れ、時間帯によって移り行く下町の姿を見るのも、楽しみの一つです。
周囲には高層ビルがないこともあり、8階という高さでも十分に周囲を見渡すことができます。現在は高層ビルの上階に開業することが主流ですが、こういった低層階も居心地の良さを感じます。
リビングルームにはダイニングエリアがあり、大人数での食事にも対応できます。
座席数は最大8席、テーブルの広さも十分すぎるほどあるため、会食やパーティー用途にももってこいの環境。
照明の調光具合はもちろんのこと、畳を意識させるラグマットや壁面にほんのわずかに描かれた花模様など、派手過ぎず、自宅のような安心感があります。
豪華絢爛なロビーに対してインパクトのあるアートはないものの、リラックス感ある居室空間を創り出すインテリアの数々も、こちらの客室の魅力です。
全体像を撮影することはできませんでしたが、バーカウンターはリビングにつながる個室として用意されています。
カウンターにはカトラリーが飾られている棚の他、複数の引き出しが配されており、その収納力も魅力です。
カウンター脇にはおなじみネスプレッソのコーヒーメーカーも。カートリッジのチョイスも他ホテルと比較してユニークで、楽しみがいのあるチョイスです。
現在はエグゼクティブラウンジでのアルコール提供がないため、代替サービスとして客室内のドリンクが無料。ロゼスパークリング「Valdivieso Brut Rose」や缶ビール等が用意されています。
2-2. ベッドルーム
ベッドボードの間接照明よる演出が特徴的なベッドルーム。
デスクやテレビを備え、シンプルかつ機能的な空間です。
客室は夕景の様子が個人的には好きなのですが、こちらは朝方の様子。
目の前が住宅街とは思えないほど静かで、リラックスのできるベッドルームです。
仕事用途はそこまで想定されていないせいか、デスク周りは気になる部分も。
デスクの奥行きはあまりなく、目の前のテレビと干渉する可能性があり、不便に感じるシーンもあるかもしれません。
機能面においても、2017年にリニューアルされたこともあり、照明のオンオフやカーテンの開閉はボタン一つで操作できるタイプとなっています。
一方で、他ホテルでは見かけるBluetoothスピーカーが用意されていないのは、少々気になりました。
2-3. ドレッシングルーム
ドレッシングルームは、大型のドレッサーとウォークインクローゼット、トイレで構成されています。
ドレッサーは若干間延びした印象もありますが、無駄なものが一切なく、広々としたスペースは多目的で使えそうです。
ウォークインクローゼットは少々狭い様子ですが、ハンガーの数は12と十分。長物衣類をかけても邪魔にならない位置にポールが設置されているため、取り回しのしやすさも魅力です。
また、towerの大型アイロン台が用意されていたのは珍しく、驚きました。
2-4. バスルーム
バスルームは、ピンク色の大理石「ノルウェージャンローズ」を贅沢に使った、豪華絢爛、そして極めてユニークな内装。
このタイプの大理石はラグジュアリーホテルの中でも珍しく、煌びやかな空間に思わず見惚れてしまいます。
見た目以上にジェットバスやサウナを備えていたりと機能面も非常に充実しています。
ジェットバスは複数のマッサージモードを備え、バスルーム周りだけでも一日楽しめてしまうほど。
シャワーブースはバスタブとは別の位置に個室として設けられているタイプ。シャワーの水圧は十分あり、操作もしやすい印象です。
国内ホテルでも非常に珍しい、室内サウナ。
バスルーム外のスイッチで起動でき、数分で用意できます。
他ホテルで備えているのはオークラのヘリテージウィングくらいですが、こちらの方が広く、完全な個室として設けられているため豪華です。
2-5. アメニティ
ウェルカムアメニティは雅叙園オリジナルの天井画ショコラ「竹林」。
繊細で美しい見た目はもちろんのこと、紫蘇や山椒といったユニークな味わいも特徴的。
そのテーマ性においても、雅叙園独自の世界観を十分に楽しむことができます。
バスアメニティは、フランス発スキンケアブランド omnisensの「The Tonique」。
ラグジュアリーホテルというと、L’OCCITANEに代表されるような濃厚な香りのイメージが強いですが、こちらは残り香の少ないタイプ。
紅茶と柑橘系の爽やかな香りが心地よく、日本人にも馴染みやすい上品なフレグランスに仕上がっています。
その他アメニティは香箱を模した容器に収納されており、ハンドクリーム等、他ホテルに用意されていないものも。
ヘアアイロンや基礎化粧品といった美容用品についても、他ラグジュアリーホテルと同様、ルームサービスでオーダーできます。
3. 館内散策 - 百段階段
ホテル雅叙園東京の前身として1935年に建てられた旧 目黒雅叙園の階段廊下、「百段階段」。
滞在中は企画展『和のあかり×百段階段 2021』が開催されており、その様子の一部をご紹介していきます。
こちらは見どころの一つ、「十畝の間」日本画が描かれた豪華絢爛な室内に、光をテーマにしたアートが織りなす様子は息を呑むほどの美しさ。
室内に現れた竹林。視覚以上に、どこか涼しげな風鈴の音色が聞こえてきたりと、別世界に迷い込んだかのよう。
百段階段の中でも、特に華やかな「漁樵の間」。色とりどりの和傘や短冊に彩られ、雅叙園の誇る優美な世界観が全面に表現されています。
こういったアートをはじめ、アクティビティや、インテリア・香りへのこだわりを通じてホテルの考え方を知る...そんな人生を彩る”新しい体験”、それもまたラグジュアリーホテルの魅力の一つのように感じます。
百段階段の企画展は定期的に開催されているようですので、気になる方は、ぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。
4. アフタヌーンティー - エグゼクティブラウンジ
アフタヌーンティーをはじめとする食事全般は、エグゼクティブラウンジ「桜花」でいただきました。
目黒川を望むエグゼクティブラウンジ「桜花」は、温かみのある木材に間接照明で演出された、リラックス感ある空間。
基本的にはアクセス権のついた宿泊ゲストのみが利用でき、元々の客室数の少なさもあってか、非常にゆったりとした優雅な印象を受けます。
アフタヌーンティーは14:00~17:00の提供で、ホテルオリジナルのスイーツや和菓子が色とりどりに並びます。
メニューは、ウェルカムアメニティでもある天井画ショコラ「竹林」をはじめ、マカロンなどのスイーツや季節の和菓子。
ドリンクは日本茶や紅茶を美しい茶器で提供していただけます。
メニューやカトラリーへのこだわり等、ラウンジとしてのレベルの高さは想像以上で、良い体験となりました。
5. カクテルタイム - エグゼクティブラウンジ
エグゼクティブラウンジ「桜花」では、17:30~20:00でイブニングカクテルが提供されます。
目黒川に陽が沈む雄大な様子を眺めつつ、心落ち着く時間を過ごすことができました。
週末でしたが、利用客は3~4組程度と、ラウンジらしい本来の特別感と落ち着きある様子に、満足度も高いです。
メニューは、”たこと和木の酢味噌和え”や、”鱧の南蛮漬け”、”香の物”といった和の小鉢を中心としながらも、カナッペやスイーツも取り揃え、作り込んだ内容。
現在は緊急事態宣言の影響でアルコールの提供はありませんが、通常は国内の銘醸地から取り寄せた日本酒やワインが並ぶそう。
また、ナイトキャップ(20:00~22:00)として就寝前にお酒を楽しめるサービスも嬉しいところ。出口のない”禁酒令”が終わることを望むばかりです...
6. ブレックファースト - KANADE TERRACE
朝食は、ロビーフロアのニューアメリカングリル「KANADE TERRACE(カナデ テラス)」にて、ビュッフェを楽しみました。
和模様のインテリアを随所に配した店内は、高級感溢れるシックな装いとなっており、朝から気分が上がります。
爽やかな朝日が差し込む中、食材を目の前で調理していただけるライブステーションや、美しく小分けされた料理が並びます。
なお、こちらはクラブラウンジと異なり、遅い時間は混雑しがちなので、早めのご利用をおすすめします。
目の前で調理される焼き魚や、香の物、明太子、お刺身といった、雅叙園らしいラインナップの他、洋食やデザートも充実。
卵料理はビュッフェではなく注文するスタイルで、オムレツは卵本来の味わいを押し出した、シンプルなタイプ。
中でも付け合わせのロースト料理がおすすめ。ベーコンやソーセージは他ホテルでも見られないほどの厚みがあり、そのジューシーな味わいは逸品です。
7. チェックアウト
エグゼクティブラウンジでのティータイムを過ごし、チェックアウト。
今回の滞在では、雅叙園の世界観に圧倒されながらも、食事や環境づくり等の取り組みにおいて、大きなポテンシャルを感じさせる素晴らしい体験となりました。
次回こそは、客室数の少ない、ビューバスの「ラグジュアリー(70~80㎡)」を狙ってみたい、そんな気持ちでこのホテルを後にしました。
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8. ホテル雅叙園東京の価格・プラン
価格については気になる方も多いと思うので、こちらで書き留めておこうと思います。
今回の客室「アンバサダースイート」については、結論として一休.comのタイムセール利用が最安で宿泊できるかと思います。
大人2名×1泊で¥43,000〜(税サ込)、ラウンジアクセス権付きで¥53,000〜(税サ込)となります。
また、ダイヤモンド会員であれば、アーリーチェックイン/レイトチェックアウト、ウェルカムアメニティのプレゼント、企画展への招待等、魅力的な特典があります。
参考ですが、他予約サイトの価格比較はこのようになっています。
9. (参考) 他ホテルの宿泊記
最後に、EnoHaru’s Hotel Reportsでは「上質な体験をより身近に」をテーマに、国内外ラグジュアリーホテルでの宿泊記や滞在動画を公開しています。気になる方はぜひ他の宿泊記もご覧ください。少しでも滞在の参考になったら嬉しいです。
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